「僕にとって機械式時計は、アート、デザイン、工学、技術が完璧に調和して作り出されるものなんだ。プロダクトデザインとエンジニアリングを学んだ僕にとって、時計製造に踏み出すことは大きな挑戦でもあり、必然でもあったんだ。」
イアン・ショーンは、工学を学んでいた大学在学中にヴィンテージウォッチの虜になります。コンピューター制御の機械がない時代に人の手で精密に作り上げられた機械式時計が、100年近い時を経てなお正確に時を刻むことは新鮮な驚きでした。
2012年、ケンブリッジにある世界的デザインコンサルタント会社IDEOのシニアプロダクトデザイナーとなったイアンは、プライベートの時間を使い時計製造の研究を始めます。それはイアン・ショーンのデザイン、エンジニアリングの技術を大きく飛躍させるための挑戦でした。
ショーン・オロロジーの時計は、デザイン・部品製造・組立といった時計製造の全工程をイアン・ショーン自身が行っています。ケースなどの部品は現代的なCNC(コンピューター制御)の機械を用いずハンドメイドされています。また部品製造に必要な加工機械もイアン自ら作ったもの、あるいは1920年代から50年代にかけて作られたものが使われています。
ショーン・オロロジーとは時計ブランドの名前だけでなく、エンジニア・プロダクトデザイナーであるイアン・ショーンが自らのデザインや製造技術を高めるための挑戦の名前でもあります。