Process

時計はデザイン・設計・部品の製造・仕上げ・組立といった工程を経て完成します。。イアン・ショーンは生涯にわたる目標として、これらすべての工程を自らの手作業で行う時計作りを目指しています。

その目標への第一歩となる最初の時計コレクションは、オリジナルの設計とデザイン、ムーブメントとガラス以外の全ての部品製造をイアン・ショーン自らが行っています。

イアン・ショーンの時計作りは伝統的な時計作りを踏襲しただけのものではありません。化学的処理も含めた現代的な手法を織り交ぜながら、製造方法の改良・実験・検証を繰り返し部品製造を行っています。必要であれば部品製造のための工作機械さえも自ら作り出しています。

完成した部品は、独自に開発した工具を用いイアン・ショーンのアトリエ内で手作業で組立が行われショーン・オロロジーの時計が完成します。

ショーン・オロロジーのケースデザインは、ケース素材であるステンレススチールやチタンの金属が削り出されケースに形成される工程を想起させるソリッドな質感が特徴です。

仕上げを敢えて最小限の研磨に抑えることでケース全体に旋盤加工の痕跡をごくわずかに残し、この時計ケースが手作業で作られたことを表しています。

ポリッシュ仕上げのベゼルはケースと一体となっていて非常に頑丈なケース構造です。

ケースを側面から見ると、ベゼルとケースバックの曲線が対称となっていることが分かります。ベゼルと同サイズ、同曲率のケースバックは、サイドから見たときに美しく装着した時の安定感も増しています。

金属の無垢材を削り出しケースに仕上げる全工程は、ボストンのアトリエ内でイアン・ショーンの手作業で行われています。

 

文字盤は、316Lステンレススチールまたはチタンから作られています。

316Lステンレススチール文字盤は、手作業による切削・研磨、インデックスのエッチング(化学的処理による金属加工)、仕上げの研磨という工程で作られています。各インデックス、ドット、セクターの色はカスタムオーダーができ、着色作業もイアン・ショーンが行っています。

チタン製のダイアルは陽極酸化処理により他の素材にない個性的な仕上がりとなっています。

 

イアンショーンは、いくつもの素材や製作プロセスの組み合わせを繰り返しテストした結果、理想的な長さ・厚さを持つ時計の針を製造する独自の方法を開発しました。これにより手作業でありながら薄く歪みがない針を作り出すこと可能となりました。

素材をシート状にした1枚のブランクスから切り取られた針は、イアン・ショーンの手により一つ一つ研磨作業が行われます。針の4つの側面は鏡面仕上げされ、針上部のヘアライン仕上げと美しいコントラストを作り出します。

この針を作る一連の工程は非常に手間がかかるため、ショーン・オロロジーの時計制作の中でも多くの時間が費やされています。

ショーン・オロロジーの特徴的な機構が6時位置のランニングインジケーターです。ランニングインジケーターは、チタン製のディスクを回転させることにより、時計が動いていることを確認することができる機構です。ゆっくりと回転するインジケーターは10秒おきにドットとバーを表示します。

ランニングインジケーターは、ムーブメントとダイアルの間のごくわずかな空間に設置するために非常に薄く作られています。またわずかでも歪みがあるとムーブメントや文字盤と接触してしまうため、ディスクの製作とインデックスの加工には細心の注意が必要です。

 

ショーン・オロロジーの最初のコレクションには、1950年代から60年代にかけて、スイス・ETA社が時計ブランドDOXAのために製作した手巻ムーブメント Cal.100が搭載されています。このムーブメントは直径23.35㎜・厚さ3.5㎜というサイズに衝撃吸収機構を備えた、小型で頑丈なムーブメントとして知られ、50年以上を経た現在もアンティークウォッチなどに搭載され正確に時を刻んでいるものが存在しています。

奇跡的に当時ETA社から出荷されたままの新品状態で見つかった200個のムーブメントのうち、100個はショーン・オロロジーの時計製作用に使用され、残りの100個はメンテナンス用に保管されます。

全てのムーブメントは、ボストン在住の時計師ニコラス・トラディアスの手で分解・洗浄・組立・調整が行われ、ショーン・オロロジーの時計に収められます。

 

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